「原理」と「状態」のすれ違い

「構造構成主義」という考え方

TTPS勉強会という場で、ふんばろう東日本という震災復興のときに立ち上がった団体?プロジェクト?の発起人である西條先生のお話を伺う機会がありました。

ふんばろう東日本については、「ほぼ日」に載っている糸井重里さんとの対談を読んでいただくと、とてもよく分かります。(時系列で読んでいくのがオススメです)

https://www.1101.com/funbaro/

https://www.1101.com/funbaro2/2012-02-21.html

https://www.1101.com/takeo_saijo/

3,000人というボランティア団体を、いかにして自律的に組織化したのか?という話も面白いのですが、それは別の機会にするとして、
今回は、そのベースとなった、西條先生の提唱される「構造構成主義」という考え方について。

詳しくは上記の3つ目の連載の中にもありますが、概要だけピックアップすると、以下のように西條先生は紹介されています。

構造構成主義というのは、ようするに何にでも通用する「原理」や「すべてにあてはまる共通の本質」を探り出す学問なんです。

その中でも、ふんばろう東日本の際にも何度も登場するのが「方法」の定義。
「方法」とは、「目的」と「状況」があって、その上で初めて有効性は決まる、とおっしゃっています。

ようするに、考えればいいポイントはふたつしかない。それは「状況」と「目的」です。
今はどういう状況で、何を目的にしてるのか。今回の場合は「被災者支援」ですけれども、このふたつを見定めることで「方法」の有効性が決まってくるんです。

なぜ西條先生の説明が「歯切れが悪い」のか(の仮説)

先日の勉強会の場では、西條先生に対して、ふんばろう東日本というプロジェクトに関して、様々な質問が上がっていました。

「参加する人のスクリーニングはどうしてたんですか?」
「やる気が下がっている人にはどう対処したんですか?」
「個人とチームの行動の折り合いはどうやってつけたんですか?」
「全体のゴールイメージはあったんですか?」
etc,etc

色々と出たので、その中からピックアップしながら西條先生が回答していきます。
そのときに、いまいち、説明の歯切れが良くない。

一方で、ご専門である構造構成主義のお話になると、非常に端的に(おそらくとても簡略化していただいて)説明されていて、それはわかりやすい。

「これは何が起きてるんだろう??」

話の中身というより、なぜそうなっているのか、に個人的にはすごく興味が湧き、そのことばっかり考えてました。
そして、そこで思い付いたシンプルな仮説。

西條先生は、本当に、具体的な「状態」を知らない。
だから、歯切れが悪い。

行き着いてしまうと、とても当たり前な話なのですが、「本部」もなければ「名簿」もない、TwitterやFacebookでのつながりが中心の任意団体であり、(NPOなどの公式な組織体もない)、実際に会ったことない人が大半。それぞれの現場で、何が起きているのか、とてもじゃないが把握できない。
西條先生は、考えるための「原理」や、それぞれが自律的にうごける「構造」を提示していて、あとは、それぞれの行動するままに委ねていた。

先日の勉強会の場では、参加者からの質問は、「原理」ではなく、「具体的にはどうだったのか」という、「状態」への対応方法に関するものが中心。

雑に例えるならば、西條先生は「重力」「万有引力」といった「物理法則」という原理の話をしていて、質問者は「そのとき川の水はどんなふうに流れてたんですか?」という状態を聞こうとしていた。
そんな行き違いだったのではないか。

「原理」と「状態」のすれ違い

どれだけ万有引力のことを知っていても、目の前の川の水を事細かに描写することはできません。なので、「ふんばろう東日本のときに、どういう状態だったのか」と聞かれても、西條さんとしては、答えようがない。

一方で、
「目的」と「状況」があって初めて意味のある「方法」を作り出せる

という「方法の原理」を持っているからこそ、未知の状況でも揺るぎなく、自律的な組織を運営するリーダーシップを発揮できた。

ここで生じた「原理」と「状態」のすれ違いは、おそらく、様々な場面で起きている。つい、目の前の「具体的な状態」を解決しうる「具体的な方法」を求めたくなりがち。
ただ、「方法の原理」の通り「状況」が違う以上は、最適な方法は異なる。

結局のところ、「原理」を深く分かった上で、「状況」を捉え、そこでつうじる「方法」を作りだす試行錯誤を繰り返すしかない、という、シンプルな話だというだけかもしれない。

関連記事

  1. 組織を理解する「深さ」が変わる5つの観点

  2. 上司は部下に失敗を話さなければならない。

  3. 「評価」の難しさ

  4. 「日本的なティール組織」について、書き終わってみて。

  5. 取り組んでいるプロジェクトのご紹介(2018/05/22ver)

  6. “Reaction” から “Cr…

  7. テンセグリティで体感できる「生命的な組織」の特徴

  8. テンセグリティを使った、有機的な組織の疑似体験。

PAGE TOP