「ティール組織」「ホラクラシー」「自然経営」は何が違うのか

「ティール組織と自然経営ってどう違うんですか?」
「ホラクラシーとティールの違いは?」

みたいな質問をわりとよく受けることがあり、その度にアドリブで答えて来ました。
ここ数日で、かなりクリアに説明できるようになって来たので、忘れないようにざっとブログにしておきたいと思います。

先に結論を書くと、
ティール組織は「世界の捉え方」
ホラクラシーは「自律的な組織運営のスタイルの総称」
Holacracyは「組織運営の手法」
自然経営は「組織が発展していく流れ」
をそれぞれ表していると捉えています。

ホラクラシーだけ日本語と英語で書きましたが、この意味も追って説明します。

「ティール組織」とは?

まずティール組織。
これは、「ティール」と「組織」を分けたほうが理解しやすくなります。

「ティール」は、端的に言えば「パラダイム」もしくは「世界の捉え方」を指しています。
そして、「ティール組織」は、「ティールという世界の捉え方の上で成り立っている組織」だと言えます。
(…と私は理解してます。書籍が手元にないので正しくは何て書いてあったか分かりません。時間と心に余裕があったらまた調べて加筆します)

「パラダイム」という言葉を使うと難しくなりますが、例えて言えば、「天動説と地動説のどちらを前提として組織を作っているか?」みたいなことです。
なので、「正しいティール組織」とか「唯一絶対の理想的な姿」とかは存在しません。

「ホラクラシー」と「Holacracy」

次にホラクラシー。
日経新聞に掲載されるくらい、この言葉もすっかり有名になりました。ただ、日本語の「ホラクラシー」と英語の「Holacracy」では、その意味が大きく違います。

先に英語のHolacracyで言うと、これは「ある定められた組織運営手法に則って運営される組織」であり、極めて明確に定義できます。というか提唱者が意図を持ってそうやって定めています。
例えて言えば、世界中どこの国に行っても「サッカー」は同じルールに基づいてプレーされます。それは、国際サッカー連盟が「サッカーとはこういうルールに基づいてプレーするものである」と定めているからです。

一方で、日本語で定着している「ホラクラシー」は、そのような厳密さはまったくありません。ホラクラシーは、「自律的」「管理しない」「フラット」のような、今までの階層型・管理型の組織とは違う組織運営のスタイルの総称として使われているようです。

なので、あえて言うなれば日本語の「ホラクラシー」の中に「Holacracy」も含まれます。
「Holacracy」が「サッカー」ならば、「ホラクラシー」は「球技」みたいなものです。

ちなみに、ちょうどscoutyの社長がこんなブログを書いていました。ここで「純ホラクラシー組織」という言い方をされてるのは、この辺りの違いを意図してるんだと思います。

 「自然経営」とは?

最後は自然経営(じねんけいえい)。
これは昨年末に「自然経営研究会」というをダイヤモンドメディアで立ち上げるにあたって勝手に作った言葉です。(現在は一般社団法人を設立)

先に断っておくと、明確な定義は現時点では存在しません。定義を考えるプロジェクト(?)がようやく始まったばかりですし、たぶん、今後も「固定的な定義」を作ることはない気がします。なんとなく。

なので、「私にとっての自然経営」として、現時点の私の解釈を語ると、自然経営とは「組織そのものが生き物のように進化・発展していくものとして運営すること」だと捉えています。
目の前で起きることに向き合い、流れていく方向へと身を委ねる。「計画性」や「目標管理」とはまったく馴染みません。

さきほど「自然経営の固定的な定義を作らない気がする」と言ったのもまさにその一例です。
ひょっとしたら、「定義を明確にしたい」と思う人が登場して、その人が「定義」を提唱するかもしれません。それに賛同する人が多ければ、結果的に「定義」が出来上がっていくし、賛同を得られなければ廃れていきます。
そうやって「自然(しぜん)と」ものごとが決まっていくことに委ねる、というのが、自然経営(じねんけいえい)なのではないかと捉えています。

「定義」は大事ではない

これだけ書いておいて、最後に全く逆のことをいいますが、個人的には「ティール組織」にせよ「自然経営」にせよ、そのことを厳密に定義することにはほとんど意味がないと思っています。
前にこのブログで書いたことと重複しますが、自分の組織にせよ、自分が支援したい組織にせよ、目の前にある「ある特定の組織」にとって、どのような姿を目指すことが最良なのか?を考えることにしか、現実的な意味はないと感じています

それでも「定義」の問題をクリアにしようと思ったのは、組織として取りうる方向性のパターンについて、「理解しやすい」状態が増えることで、結果的にそれぞれの組織が「最適な選択をしやすくなる」ことにつなげられるのではないか、と感じるようになりました。


Also published on Medium.

関連記事

  1. 先生、相談役、設計士。コンサルタントの3つの関わり方

  2. テンセグリティを使った、有機的な組織の疑似体験。

  3. 課題解決を提供する中での色んな役割

  4. ティール組織を改めて考え直す:Next Stage World 201…

  5. ティール組織における評価と報酬

  6. スタートアップにおけるHRの進化

  7. テンセグリティで体感できる「生命的な組織」の特徴

  8. 組織を理解する「深さ」が変わる5つの観点

PAGE TOP