企業の「スピード感」の背景にある時代認識

企業の「スピード感」の違いとは何か

前にお話させてもらったローンディールの原田さんのブログ記事で、大企業とベンチャーの「スピード感」の違いに言及されていました。この中では、スピード感の違いを「初速の違い」という表現をしています。

仮に最終的な到達点が同じだとして、大企業的なアプローチで言うと最初の数時間ででてくるアウトプットは極端に少ない。一方でスタートアップ的な動きで言うと、アウトプットというたての動きが手前に来る。つまり、図で言う「A」の時点でのアウトプットに差がある、というのがこの「スピード感」の正体なのではないか、と思うのです。

そこからさらに思考を膨らませて、前提となっている世界観を私なりに考えてみると、
大企業は、「不確実性が低い状況で、事前に立てた計画に沿って、大きな組織を、着実に動かす」という世界観を体現していて、
ベンチャーは 「不確実性が高い状況で、そのときの状況に合わせて、小さな組織を、機敏に動かす」という世界観を体現している、という違いとも言い表せると思います。

ベンチャーの経営者を務めていた経験でいうと、昨日は当たり前だったことが、1つの前提条件が変わっただけで180度違う意思決定をする、なんてことはしょっちゅう起きました。
とても具体的な例を挙げると、十数人のメンバーでやっていると、「1名がインフルエンザで1週間休む」ことが確定した時点で、翌週に予定していた開発のリリースがガラッと変わらざるをえない、みたいなこと。文字通り「毎日」のレベルでそういう出来事は発生します。

Orange→Greenくらいの不確実性の捉え方の変化

「ティール組織」の発売以降、私の観測範囲の中では急速に認知度が高まったTealという組織形態。この元になっているインテグラル理論では、人の意識の発展段階について「世界をどれくらい複雑なものとして見ているか」という観点を取り上げています。(詳しくは前にこちらのポストで書きました)

先ほどの大企業とベンチャーの私なりの整理で言えば、大企業ほど不確実性を低く見立て(AmberやOrangeの世界観)、ベンチャーは不確実性を高く見立てる(OrangeやGreenの世界観)、という違いとも言い表すことが出来ます。

大企業がAmberやOrangeをベースにしてきていたのは、時代背景から考えると「それが最も合理的だった」からであり、逆説的に言えば、今残っている大企業の多くがAmber/Orangeなのは、それ以外の組織形態は淘汰されたから、とも考えることが出来ます。

このあたりは、何が「良い」「悪い」という話ではなく、いかに「時代性に合った組織を選択できるか」ということに尽きます。


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